The Memory Of Oblivion ~忘却の物語~ 第2偕
ー夜のひとときー
スカイリムの南にあるホールド「ザ・リフト」
この地方の街リフテン。
既に日は落ち夜となったこの街で、女の傭兵は人探しをしていた。
街を歩きながら、人探しをしていく。
やがて街の北側の橋で目的の人物を見つけると彼女は話しかける。
「ベイラン。久しぶりだな。」
ベイラン「イグレインさん、お久しぶりです。あの時以来ですね。」
ベイランと呼ばれた青年は女の傭兵をイグレインと呼び、久しぶりに会ったことに
喜んだ表情をしていた。
ベイランの呼び方にイグレインは少し残念そうにすると
イグレイン「ベイラン。お前は私の弟でもある。他人行儀になる仲ではないだろう?」
「まあいい、探していたのは面白い話を聞いたので、教えてやろうと思ってな。」
ベイラン「兄さんがまた何かやらかしましたか?今は老化している身ですので、手加減してくださいね。」
イグレイン「そうではない。仮にそうだとしても、あの男に手加減など必要はない。」
イグレインは歩きながら、そう話すと、ベイランに顔を向ける。
イグレイン「どうやら、『竜教団』が活動を開始したらしい。」
BGM
ベイラン「アルドゥインが蘇った日に、人間(ヒト)が竜の存在を再び知り、畏怖と絶対的な存在への羨望が、やがて信仰に変わり現代の『竜教団』となった・・・。」
イグレイン「そうだ、『アイツ』とベイリンとベイラン、そして私とで、全滅させた者達が再び現れた。」
ベイラン「しかし、アルドゥインは滅ぼされて、ドラゴンたちは旅立ったはずです。」
イグレイン「それは、一部のドラゴンだけの話だ。今だに活動しているドラゴン達はいる。それに『竜教団』はまたアルドゥインは復活すると考えているらしい。」
イグレイン「奴等は遺跡深くに身を潜め、規模を拡大しながら、活動している。」
ベイラン「疑問に思うのですが、ドラゴン達を統率していたアルドゥインは居なくなりました。ドラゴンは本来高慢な性格が多く、ヒトを統率するのに向いてはいないはずです。」
イグレイン「本来はな。パーサーナックスみたいな友好的で理解のある者もいる。
一概にそうだとは言い切れんな。」
ベイラン「なるほど、稀有な性格をした竜が『竜教団』を率いてると思うのですね?」
イグレインは顔を上に向けると「まあ、そうだといいのだが・・・。」と言った。
イグレイン「それか、奴等しかしらない理由があるのかもしれん。」
ベイラン「なるほど、そのために私を探していたのですね。」
ベイラン「兄さんが老化してしまい、『あの方』はそのために旅立ってしまった。
今、動けるのは私とイグレインさんくらいですからね。」
ベイラン「それに、兄さんばかりに良い格好させてはいけません。」
イグレイン「そうだな、あの男が出てくると、女性絡みで面倒な事になる。」
ベイラン「ええ、本当に。」
二人は少しの間、お互いに笑うと「明日、ある遺跡の調査をしよう」と約束をして別れた。
世界の終焉が終わった世界で、『何か』が、再び起きようとしていた。