放浪者の物語2 「ドラゴンボーンの過去(後編)」
最初は半信半疑だったが自分で納得して、マルカルスの祭壇までポエシアの司祭は走ってたが、あえなく牢に捕まった。
これがモラグ・バルの罠だと気づくとポエシアの司祭は「モラグ・バルよ。私は屈しないぞ!」と叫んだ。
モラグ・バルは俺にメイスで痛めつけろ!屈服させろ!と命じてきた。
断りたかった。しかし、心に恐怖を植えつけられていたのだろう。
司祭をさび付いたメイスで殴っていた。司祭を殺してもモラグ・バルが復活させる。
モラグ・バルは屈服するまで死ぬという痛みを続ける気だった。
屈服したポエシアの司祭はモラグ・バルの下僕になるといった。
最初から魂をもらう気だったモラグ・バルは俺に殺せと命じた。
俺は司祭を殺した。
我に返った俺はなんてことをしたのだと後悔した。
恐怖に負けたとはいえデイドラの命ずるがままじゃないか。
モラグ・バルは歓喜の声で、メイスを授けようといってきた。
『こんなメイスいるわけないだろ。』
怒りを覚えて言葉を吐き出した。
モラグ・バルは憤慨の声で「身の程を知れ!別の勇者を送り込んで貴様を殺すぞ」と脅してきた。
俺はモラグ・バルに対して恐怖を感じてなく、むしろ戦う気だった。
だが、モラグ・バルは満足したように留守は任せたぞといって声が消えたのだ。
声が聞こえなくなると、すぐさまメイスを捨てた。
恐怖に屈して凶行に走った自分に恐怖しているのがわかった。
だから、モラグ・バル満足して去っていったのだ。
廃屋を出て、マルカルスから走って逃げた。
気づくとモラグ・バルのメイスは手元にあった。いくら捨てても必ず戻ってくる。
己に恐怖を感じてる限りこのメイスは俺のそばに居続ける。
その後はひたすら強くなろうと自己鍛錬に没頭した。
いくら修行をしても足りない。まだ己に恐怖を感じるのだ。
闘技場の島(アリーナ・アイランド)といわれてる場所で恐怖を拭い去るために闘い続けた。
どれだけ勝っても恐怖に勝つには足りない。
戦いの最中に恐怖はない。己を信用できる。
まだ闘いが足りないと感じた俺は、ウィンドヘルムの闘士ギルドに向かった。
船上での一騎打ちから始まり、幾つもの闘いを経てスカイリムで相手が居なくなると
ハイロックの騎士と死闘を繰り広げた。
時にはモロウィンドやヴァレンウッドの戦士たちと戦った。
闘士ギルド内では、いつのまにかレジェンドと言われるようになるまで闘いに明け暮れていた。
己の命をかけて、ただ恐怖に打つ勝つために闘い続けた。
その果てに己の命が散ろうともこの恐怖に勝たねばならない。
勝たなくてはいけない。
まだモラグ・バルのメイスは存在している。
いつになったら、己への恐怖に打ち勝つのか。
ハチミツ酒を飲み干しながら考えるドヴァキンであった。
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長かった。今回はここまで。